ドライサイクルを約10%短縮

動作シーケンスが優れていればいるほど、高いパフォーマンスを発揮することができます。

ENGELは、iQモーションコントロールという形で、加速フェーズを自動的に最適化し、より速い動きをサポートするスマートアシスタンスシステムを開発しました。

これは、リニアロボットviperですでに実現されていますが、今回、K 2022の射出成形機にも導入されます。高性能なアプリケーションでは、サイクルタイムを大幅に短縮し、競争力を高めることができます。

高速のアプリケーションでは、射出成形機が金型を開閉する時間は、サイクルタイムの重要な部分です。ロボットアームのように、射出成形機の金型取り付けプラテンが単純に開いたり閉じたりするのではなく、個々の動作ポイントに従って動きます。これらのポイントは、動きをフェーズに分割し、まさにここが最適化の鍵となります。iQモーションコントロールソフトウェアは、個々のフェーズごとに、適合する機械設定に最適な加速度を計算します。

計算の基礎となるのは、設定された金型ストロークとクランプ力、さらに金型重量です。iQモーションコントロールは、ボタンを押すだけで自律的に最適化を行います。このソフトウェアは、加速フェーズを最適化し、プラテンの速度を向上させます。これにより、部品の取り出しが速くなり、ひいてはサイクルタイムが短縮されます。

射出成形機には、この性能向上のための追加エネルギーは必要ありません。より高い接続負荷も必要ありません。このソフトウェアは、機械と駆動装置にかかる負荷を増やすことなく、機械と駆動技術の既存の能力を最大限に活用するだけです。

例えば、オープニングストロークの調整や金型交換の際、モーションランプは時間の制約から最適に再調整されないことが多く、また金型重量の違いから予備が設定されることもありますが、iQモーションコントロールがあれば、このようなことはありません。どのパラメータが変化しても、物理的な限界を利用した最適な軌道が常に計算され、最短のサイクルタイムを達成します。

ENGELは、デュッセルドルフのホール15にあるブースで、iQモーションコントロールが実際にどのように機能するかを、高度なパッケージングアプリケーションで実演しています。ENGEL e-speed射出成形機は、薄肉射出成形とインモールドラベリングを用いて、4キャビティ金型でrPETから125mlの丸型容器を製造しています。これらの容器は、食品の包装に使用されます。そのため、サイクルタイムは生産者の競争力にとって非常に重要です。サイクルタイムの分析によると、この高性能アプリケーションでは、金型の開閉が総サイクルタイムに占める割合が特に高いことがわかりました。iQモーションコントロールがない場合、金型の移動に必要な時間は1.27秒です。iQモーションコントロールが有効な場合、金型の移動に必要な時間は1.12秒です。これは、12％の時間短縮に相当します。総サイクルタイムでは、3.15秒から3秒に短縮され、5パーセントの削減となりました。

iQモーションコントロールは、ENGEL e-capおよびe-speedシリーズのすべての新型電動トグルレバー式射出成形機の標準機能に含まれ、旧型機へのレトロフィットも可能です。iQモーションコントロールにより、これらの機械はドライサイクルの時間を約10％短縮することを実現しています。